TH(TALKINGHEADS・トーキングヘッズ)叢書にno.77から寄稿しております。
「写と真実」としてテーマに合った黒白写真と言葉を添えています。
THとは、アトリエサードが発行する季刊誌。
アートや文学などを、現代の時代状況も見据えながら、独自の切り口で紹介・解題します。
ゴシック、エロス、頽廃、耽美、ドール、前衛などを切り口に、
アートや文学・映画・ダンスなど、さまざまなジャンルを横断するテーママガジンです。
コンビニ化・画一化が進む社会において、見逃され、見捨てられてしまっているものも数多く、
ですがその中にも、価値あるもの、心揺り動かされるものも少なくありません。
そしてそれらは、ときに、時代を変革する新しいイマジネーションを秘めているものです。
そのような感性をすくい上げていく、異端芸術を愛でる者たちのための季刊誌です。(Fuisan.co.jpより抜粋)
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今回のテーマは「もの病みのヴィジョン」(以下アトリエサードより抜粋)
「もの病み」とは、辞書を引けば単に「病気」とあるが、
なんとなく勝手に連想したのは、「もの」に憑かれて「病んで」いるような状態。
または、「もの悲しい」と同じようなニュアンスで、「なんとなく病気っぽい」感じ。
そして「病み」は「闇」であり、はずれ者のイメージとつながる。
「病気」というテーマは、だいぶ以前から候補のひとつだったが、
今号の企画として提示したのは半年前。
まだ新型コロナウイルスが知られる前であり、
こんにちこのような状況になるとは、思いもよらなかった。
そうした伝染病だけでなく、人は、身体的精神的なさまざまな病に苦しめられ続けている。
病に出会うと人は、健全で健康なことが良いとされる社会から逸脱し、
「病み」=「闇」をまとい、光を失う。
しかしだからこそ、見えてくるヴィジョンがある。
隠されていた、見えなかった真理が見えてくる。
「病み」=「闇」のヴィジョン。
そこに、生のもうひとつの可能性を見つけにいこう。
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6回目に当たる今回はMemento mori。
毎回、ダークサイド寄りなテーマであり、
今、自分が写真でやりたいことを思考し哲学するのに、
とても楽しく、インスピレーションを刺激してくれます。
どうぞ手にしていただけたら幸いです。
「こちらから購入」できます。
JUMPEI TAINAKA / タイナカジュンペイ